《完》シークレット・ティアラ 〜不器用なシンデレラ〜
『せんぱ――…』




その時、ようやくわかった。



先輩がここへあたしを
誘った目的も、最初から
あたしのこと、本気で好き
なんかじゃなかったことも。



……あたしは先輩に、
騙されてたんだ。



あの笑顔も優しさも――

全部が、作り物だった。




『やめてっ……!』



あたしは無我夢中で足を
バタつかせ身をよじり、
何とか拘束を逃れようとした。



予想以上の反抗に先輩も
慌て、さらに強引にあたしを
組みしだく。

口は、掌でふさがれた。



『…………っ!!』


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