《完》シークレット・ティアラ 〜不器用なシンデレラ〜
やみくもに動かした足が
跳び箱に当たり、懐中電灯が
揺れたことが、ギュッと
閉じた目に刺さる強い光で
わかった。



そして懐中電灯はそのまま
床に落ち、ガシャンという
大きな音をたてる。



『あ―――…!』



大きな音をたてた動揺に、
水瀬先輩の力が一瞬緩んだ。



あたしはその隙に先輩の
体の下を這い出て、震える
手でかけられてた鍵を外す。



『さよならっ………』



涙で顔をグシャグシャに
しながら飛び出した、体育
用具室。



その時に、心に誓った。


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