《完》シークレット・ティアラ 〜不器用なシンデレラ〜
あたしは反射的に、洸さんが
あけてくれた後部席の
シートに乗り込んでた。



『閉めろ』と言われて
自分でドアを閉めると、
車はすぐに走り出す。



(どうしよう……
乗っちゃった……)



よく知りもしない人の車に。



彼が誰なのかも、その目的も
ちっともわかってないのに……。



(これって普通なら、変な
ことされないかって考える
場面なのかな……)



あたしは一瞬だけそんな
ことを考えたけど、すぐに
自分でその考えを打ち消した。



(なんて、あたしには
そんなことあるわけないか……)


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