《完》シークレット・ティアラ 〜不器用なシンデレラ〜
あたしを駆り立ててたもの。
あたしを熱くさせてたもの。


そんな何かが、風に消された
ロウソクの火のように。



音もなくフッと消えて、
あたしを冷たくしていく――

それが、ハッキリとわかる。



『なーんだ。昔とぜんっぜん
変わってないんだな』



「―――――っ!!」



冷たい声が、耳によみがえって。




―――その瞬間、あたしは……

冷たい床に、ペタンと膝を
ついてた。




「あ……たし…………」




プロデューサーの大声が
かなり近い所で聞こえる。



……そうか。あたしが
止まったのは、ちょうど
ランウェイの先端部分だから。


_
< 436 / 480 >

この作品をシェア

pagetop