《完》シークレット・ティアラ 〜不器用なシンデレラ〜
……何やってるの、あたし。


後はここでポーズを決めて、
来た道を戻っていくだけ
だったのに。



洸さんが、どこかで見てるのに。



それなのに、あたしは――…。



「あたし……怖い……」



――怖じけづいてしまった、
完全に。



「ごめん――なさい――…!」



ざわめく周囲の声と陽気な
音楽を聞きながら、あたしは
両手で顔を覆って、
泣き崩れた……。





     ☆☆☆☆☆


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