《完》シークレット・ティアラ 〜不器用なシンデレラ〜
「そうですね。

あ、洸が言うと突拍子も
ない話に聞こえたでしょう
けど、これは洸の提案を
もとに事務所も正式に
認めてることですから。

うちの事務所からのスカウト
だと思って下さっていいですよ」



補うようにそう言って、
瀬戸さんはあたしの傍の
ローテーブルにそっと
何かを置いた。

……名刺みたいだ。



「それでは、我々は失礼します。

次のお仕事、間に合います
よね、仁科さん?」



「は………」



次のバイト?


……もう、とてもそんな
心境じゃないんですけど。


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