《完》シークレット・ティアラ 〜不器用なシンデレラ〜
瀬戸さんは開口一番そう
気遣ってくれたけど、その
隣で洸さんはフンッと鼻を
鳴らして、



「何が不満なんだ?

オレの推薦でデビュー
できるなんて、願っても
ないチャンスだってのに。

付き人の期間だって、
給料は出る。
困ることなんてひとつも
ないだろう?」



「お給料のことなんて、
考えてません」



そう答えると、洸さんは
ますます眉をひそめた。



「じゃあ、なんだ?」



「洸さんはチャンスだって
言うけど……そもそもあたし、
モデルをやりたいなんて
思ったことないんです。

それなのにそんなこと
言われても……」


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