ハッピーエンドから始まる物語
噂から始まる物語
とある世界のとある大陸にあるとある国の城内。




その城内の一番奥にあり、謁見許可を得ないと何人たりとも入ることが出来ない王座の間。




よりもっと手前の通路を右に曲がって奥に行き地下へと向かう階段を降り…




というか早い話が城内の中の離れにある庭園にその人物はいた。





鳥籠を大きくしたような建物が庭園の中心にあり、中に白を基調にした石のテーブル、回りに幾つかの石の椅子がある。



建物の回りには季節ごとに美しい花が咲き乱れ、そこだけ別世界のように思える綺麗な庭園だ。




その庭園の椅子に座りテーブルに突っ伏して寝ている姿は、まるで絵画の一面を思わせる。




陽にあたり透けるようなライトブラウンの髪は、まっすぐに、けれどもしなやかに長く伸びていて、風が通るとふわりと揺れた。



上質でいて、けれどもふわりとした素材の薄手のドレスは、ほんのりと黄色に染まり、降り注ぐ陽を柔らかに反射している。
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