俺様幼なじみは婚約者!?
優牙side
“ちゃんとあたしのこと女として見てたんだ”
突然呟いた夢華に耳を疑った
見てたに決まってる
最初からそうだった
恋愛対象として・・・
気にしないで!とごまかすように愛想笑いをする
俺はあぁと頷いた
あまり突っ込んで聞くと墓穴を掘りそうになるからな
後が気まずくなることだけは勘弁してほしいからな

それから俺達は話題を変えて学校に向かった

「夢華」
「ん?」
「仕事頑張ろうな」
俺は何を言ってんだよ、頑張んねぇと会社潰れる
夢華はクスクスと笑い
「うん!当たり前じゃんっ♪」
笑顔で元気よく答えるとまた笑い出す
俺は少し自嘲気味に笑った
夢華に想いを伝えなきゃなんねぇのに言いそびれたり機会を逃したり
仕事に恋両方諦めたくねぇから頑張んなきゃな
泣き言言ったり折れたり諦めたりしたくねぇし
「急ぐか!」
「うん!」
自然の様に俺は夢華の手を握り夢華は俺の手を握り返すと学校まで走った
小学生の頃に戻った感じだった
っても中学年まで、学校は一緒に言っても手は繋がなかった
でも夢華が転んで泣いたら負ぶさったり手を引いて帰った時もあった
近所の人に助けられながら支えて貰いながら、人間性の温かさに触れた
孤独・差別・偏見を受けていた時は両親と夢華の両親しか真っ当に真っ正面から接してくれなかったけどな
「なぁに笑ってんの?」
「お前が転んで泣いた時を思い出しただけだ」
「忘れてよ!恥ずかしいっ」
「忘れねぇよ」
「なんで!?」
なんで!?ってそりゃぁ、
「お前と過ごした思い出だからだ!」
好きな奴との思い出だれが忘れるか、馬鹿
あ、真っ赤・・・いつになっても見た目は子供だなこいつ
< 54 / 57 >

この作品をシェア

pagetop