君だけのもの。





「…っいたっ」




掴まれた手首には
ありえない程の力が込められていて。


私のことなんてお構いなしに
どんどんどんどん和樹先輩は
引っ張っていく。





抵抗はしなかった。
出来なかった。
危機感はなかった。


ただただ目の前の
先輩の背中が怖かった。



そのまま屋上の隅に
連れて行かれる。





先輩は急に立ち止まった。



何を言われるのか
何を考えてるのか

何も検討がつかなかった。




「……せん、ぱい?」





すると、いつもの
優しい表情で振り向く先輩。




「りお……」




.
< 10 / 10 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

公開作品はありません

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop