君だけのもの。
「清水先輩は、自分を犠牲にしてまで
りおを助けたんだよ?
だからりおは、
清水先輩の分まで
しっかり生きていかなきゃ
いけないだろ?」
「……先輩…」
「だから早く天国の清水先輩に、
りおの元気な顔見せてあげな?」
「……和樹先輩は、
私のこと、憎くないんですか…?」
お兄ちゃんは、
和樹先輩のサッカー部の先輩で、
二人とも仲がよかった。
きっと内心、和樹先輩も
私を憎んでると思っていた。
「俺がりおを憎むなんて
そんなことあるわけないだろ!
俺は清水先輩を誇りに思ってる。
だから自分責めるな?
りおがこれから先も元気に生きていけば
清水先輩は幸せなはずだよ」
「和樹先輩…っ」
誰かにそう言われたかっただけかもしれない。
涙が止まらなかった。
胸の痛みが和らいだ気がした。
和樹先輩はそういいながら
ずっとそばにいてくれていた。
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