鬱(うつ)は必ず治るのだから
数日後、妻は心療科で症状を説明すると「鬱(うつ)病」と診断され、たくさんの薬を処方された。

うつ病・・・よく聞く言葉だ。

落ち込んだり、やる気が出なくなる病気か?
時期の問題ですぐに治るんだろう?
薬なんか飲む必要なあるのか?

うつ病に対しては、その程度の認識だった。

誰でも落ち込むことがあるよ。
俺だって嫌な仕事を受けている時なんか、うつ病になりそうだもん。

妻自身も「うつ病」について、まだよく分かっていなかったのだろう。
私の無知で、馬鹿な発言に、軽く微笑むだけだった。


妻の就寝時間は夜の9時。
保育園に通う4才の娘と一緒に布団に入り、朝は5時頃に起床する。

うつ病と診断後、就寝と起床の時刻は変わらなかったが、眠りは浅いのですぐに目覚めてしまい、深夜パソコンに向かうことが多くなっていった。

インターネットに依存しているのではなく、持て余す時間を潰す手段として、パソコンを選んだようだ。

この頃から、本などの活字物は、まったく読めなくなっていった。
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