鬱(うつ)は必ず治るのだから
ある日のこと。
娘を保育園に迎えに行くため、妻と一緒に車に乗り込んだ。
カーラジオから、ウルフルズの「明日があるさ」が流れてきた。
♪明日がある~
明日がある~
明日がある~さ~
聞いていた妻は、いつものように独り言をぶつぶつ呟き始める。
「なんで明日があるって言い切れるのよ。変よこの歌。今日がだめで、どうして明日がいい日だって分かるのよ」
冗談で言っているのではないことはすぐに分かった。
苛立ちを押し殺した声。
真顔だ。
以前の自分ならば「おまえアホか、たかが歌だろう」と一喝したと思う。
今はただ黙っている。
病気だからしょうがないと思えば、そんなには気にならない。
妻の顔から笑顔が日に日に消えていった。
たぶん私の顔からも、いや、それどころか家中の空気が、冷たく重く変わってしまった。
娘を保育園に迎えに行くため、妻と一緒に車に乗り込んだ。
カーラジオから、ウルフルズの「明日があるさ」が流れてきた。
♪明日がある~
明日がある~
明日がある~さ~
聞いていた妻は、いつものように独り言をぶつぶつ呟き始める。
「なんで明日があるって言い切れるのよ。変よこの歌。今日がだめで、どうして明日がいい日だって分かるのよ」
冗談で言っているのではないことはすぐに分かった。
苛立ちを押し殺した声。
真顔だ。
以前の自分ならば「おまえアホか、たかが歌だろう」と一喝したと思う。
今はただ黙っている。
病気だからしょうがないと思えば、そんなには気にならない。
妻の顔から笑顔が日に日に消えていった。
たぶん私の顔からも、いや、それどころか家中の空気が、冷たく重く変わってしまった。