silent*love
花
────
───────
「坂下。ちょっといいか」
頭上から降ってきた、心地よい低音。
確認しなくてもわかる、彼の声。
心臓が、どくんと跳ねた。
「な、なに?」
ユイはさっとその場を離れていったけど。
それよりも、彼が目の前にいることが信じられなくて。
いや、信じたくなかったのかもしれない。
終わりがすぐそこに、近づいてきてるから。
細くなってしまった糸の繋ぎ目を、切られてしまう気がした。