silent*love


溢れそうになる涙を。


必死で押し戻す。


泣いちゃだめ。


静かに。美しく。


去ると決めたのだから。




二人の間に、少しの沈黙。


彼のため息が、大きく響く。


「なんでそうなるんだよ」


「……え?」


予想していなかった台詞に、私は首を傾げる。


「だからさ俺、どうしてもお前のことが好きなんだよ。だから、このまま自然消滅だけはしたくない」


そう言って私を捕らえる、漆黒の瞳。


< 7 / 8 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop