sky princess



『そんな・・・、ちょっと待ってください。いくらなんでも私にそんな力はありません』



「長い間あちらにいたから今はまだ、眠っている。だけど、その力は多分すぐに目覚めるだろう・・・。 こちらに来てから、記憶も戻りつつあるだろ? それに、ソラの周りにいる二匹・・・、私や王妃ならまだしもほかの者に懐くことはまずない。使い魔とは本来主以外のものには近づかないし、懐くこともない。主以外に懐くことは決してないのだ。だが、なついているのはおまえの心と血、そして眠っている力の影響だ。初代もお前と同じだったと言われている」



陛下の言葉にますます驚くことばかりだ。
確かに、陛下が言われるように自分の知らない記憶が少しずつ断片的にだが頭の中をよぎる。



俯いて考えてる私を少し見つめたあと、



「ソラ、今日はいろいろなことがあったんだ・・・。頭もついていかないし整理もしたいだろう。今日はゆっくり休みなさい。ラン、ソラを部屋に連れてってやってくれ」



「はい」



ランの返事の後に王妃が私のことを抱きしめた。








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