Lost Eden
天国がある街
雨が降り続いた。
今日は嵐だ。
夜、誰もいない裏路地に
2人の影が見えた。
ツインテールの女の子。
金髪で長身の男の子。
2人は手をつなぎ、
一人の男に近づいた。
「ねえ?なんで私たちを作ったのぉ?」
「ねえ?なんで僕たちを作ったのぉ?」
「ぁっ…!うぁっ!?ぐぁああああ!」
少女は歌う。
少年は笑う。
男は声にならない叫びをあげ
いつの間にかその場に倒れ
骸と化していた。
少女と少年はつまらなさそうに
男を見下げた。
「慄つまんなあい!」
「人間って本当バカだよね」
「…慄の歌誰も聴いてくれない」
「僕は慄の傍で聴いてるから」
「八雲だああいすき!」
雨の中少女の歌は聴こえる。
死んだ男の耳から流れた血は
雨と混じって赤く綺麗に染まっていた。
「「人間なんか大嫌い!」」
「「みんなみんな死んじゃえ!」」
2人は手をつなぎまた歩く。
「慄と八雲と玲夜だけの世界が」
「平和に続きますように」
2人の夢はいつか叶うだろうか。
まだ、雨はやまない。