Lost Eden
「シュラは少し難しい女の子なのよ、仲良くしてやって?」
「そうなんですか」
あの関西弁の少女は俺に恨みでもあるのだろうか。
俺は、俺たちはたくさんの民間人を殺してきたからな…
「あれ?ちょっと司令!八雲先輩は?」
「さあ、まあ自己紹介なんか後でもできるしさっそくだけど玲夜に仕事をしてもらうよ」
「なんですか」
「とある研究所の潜入と、そこの研究所の幹部の逮捕を君の指示のもと行ってほしい。詳しいことはこのメモリに書いてあるから、このパッドと通信機を持って今すぐ出動してほしい。動かす部隊は警護班とここの隊員の竜胆八雲副司令のみだ、わかったか?」
渡されたメモリをパッドに繋ぐと、懐かしいものが目に入った。
その研究所とは、俺が製造された場所。
俺と"妹"が出会った場所。
場所は知っている。
だがもう、そこは存在しない。
ある事件がきっかけに消えたから。
俺もそれは知らない。
ちょうどその事件が起こったのが俺が逮捕されて1週間後のことだから。
記憶が欠落していて、研究員の顔も名前も覚えていない。
どうやって幹部を逮捕なんかできるんだ?
「幹部は7人、そのうちの2人の顔はわからない。憶測だが…その2人こそこの戦争の発端といってもいいだろう。首謀者は顔がわからない、しかし5人はそのメモリに入っている。お前なら大丈夫だろう…行っていいぞ」
メモリの中には…
「…失礼します」