夏の空~彼の背中を追い掛けて~
「また今度、孝道に迫られたら、真弥の事言ってみようかな…」
逃げ口を見付けた紀香から、ほんの少し安心の顔が伺えた。
それから暫くの間、平和な日々が続いた。
と言っても、私は毎日バイト三昧。
学校が終わると、ゆっくりする間もなくコンビニへ行き、床掃除からバイトが始まる。
それから棚掃除・陳列・商品補充をしながらレジをする。
この接客時間が私は好きだった。
「昼間は暑かったですね」
「明日は雨が降るそうですよ」
こんな些細な言葉を交えながら、お客様に接すると皆笑顔で言葉を返してくれる。
それが何より嬉しかった。