夏の空~彼の背中を追い掛けて~
「真弥ちゃん…今日の事は絶対に誰にも言わないで!!」
ホッとしてる私とは対照的に、孝道君は物凄く落ち込んでいる。
肝心な時に起たなかったら、男としては相当なショックとダメージだろう。
「うん。誰にも言わないからさ、今日の事はお互い忘れない?」
私は倉庫へ来た事実でさえも、消し去りたいの…。
「うん…俺、忘れる。イヤ、忘れたい…」
「良し!じゃぁここを出よう!!紀香が待ってる」
すっかり元気を無くした孝道君と、私は倉庫を出た。
ゔっ……目の前が真っ白!?
薄暗い倉庫から急に明るい外へ出た為、目が眩んでしまったものの、直ぐに視界は戻る。
何か今日はこんなのばっかり。
電話にしろ視界にしろ、同じ事を2回は体験している。
運がツイてない日なのかなぁ。
さて、気を取り直して紀香の所へ行こう!
私は、公民館の方へ歩みを進めた。