夏の空~彼の背中を追い掛けて~
「紀香がまだ着替えてるから、先に出て来ただけ…」
「そう……」
漣と目が合わない様に視線を外し、私は素っ気なく答えた。
「真弥の…首筋…。キスマークだろ?大分目立たなくなったな」
えっ!?
小さく呟いた漣の言葉に、驚かずにはいられない。
「もう殆ど分からないのに、何で知ってるの!?いつから気付いてた!?」
「ん2週間位前?」
そんなに前から知ってたの!?
何で!?
私を見てたって事!?
どうして?
1年前に、私達は終わったんだよ?
それに、私はもう漣の事は忘れた…。
ううん、自分の中の感情を無理矢理に封印したの。