夏の空~彼の背中を追い掛けて~
運命の人
「真弥…孝道にあの事を話したらチョット可笑しな事になったんだけど…」
7月初旬、困った顔で紀香が登校して来る。
「可笑しな事って何?」
「実はね・・・」
紀香が言うには、今朝また孝道君に迫られた為、以前私が『相手をしてあげる』と言った事を話したと言う。
すると孝道君と同じ高校へ通う紀香の幼なじみ、篠栗 俊介(ササグリ シュンスケ)君が話しに乱入してきて「俺もしたい」と言ったらしい。
孝道君は「えーっ!?俺が先!」と言いたげな顔をしていたけど、先輩である俊介君に何も言い返せず、譲ったとの事。
「俊ちゃんが凄い乗り気なんだけど…真弥どうする?」
えっ!?どうするかって?
「俊ちゃんに彼女は居るの?」
「居ないよ」
だったら私の答えは一つ。
「俊ちゃんでも孝道君でも、私はOKだよ?」
「えっ?良いの!?」
紀香は驚きに似た顔をする。