夏の空~彼の背中を追い掛けて~


「大丈夫だよ。平気」



「良かった。無理させてゴメンな」



お互いの目を見つめ合い、自然と唇が重なる。



フフッ♪何だか恋人同志になったみたいに、心が暖かい。



まだ『好き』とは言われていないけど、いつかその言葉を聞けると良いなぁ。



「*☆○※△…」



ずっと静かだった校舎に、突如、大勢の騒がしい声が響き渡る。



午前の部が終わって、昼食を食べに皆が戻って来たんだ!?



「俊ちゃん、早くここを出なきゃ!!」



先生に見付かったら、何を言われるか分からない。



私達は脱ぎ散らした服を急いで拾い、着替え終ると保健室を抜け出した。



注意深く周りを見渡しながら靴箱へ向かうも、生徒の目からは逃げられない。



『この人、誰?』



『他校生?』



そんな目を向けられながら靴箱まで辿り着くと、紀香達が待っていた。





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