夏の空~彼の背中を追い掛けて~
まぁ、紀香はまだ男を知らないから、当然と言えば当然の反応なのかも知れない。
好きでもない男と何度も体を重ねるうちに、私にとっては特別な事でもなくなった。
但し、私の中にはマイルールがある。
彼女が居る男とは、絶対にHしない。
勿論、キスもタブー。
それは何故か、皆にも分かるよね?
そう…彼女を悲しませたくないから。
私自身、彼氏の浮気が原因で泣いて暮らした。
同じ思いを誰にもして欲しくないし、ましてや自分が加害者になるなんてもっての他!!
だから、男と関係を持つ前に必ずフリーかどうか確認している。
「明日の朝、俊ちゃんと孝道に会うから、真弥がどっちでもOKだって事伝えとく」
「うん、分かった」
それから直ぐ期末テストが始まり、終業式がもうそこまでと迫っていた。
「真弥、俊ちゃんがいつ会えるのかって何度も聞いて来るんだけど、どうする?」
紀香と友達になってから、この困った顔を何度見ただろう…。
大丈夫だよ?
そんな顔をしなくても、約束はちゃんと守るから。