夏の空~彼の背中を追い掛けて~
「真弥、怪我は大丈夫!?戻って来るの待ってたんだよ?」
「う゛っ……ごめん」
紀香の言葉に、それ以外の事が言えない。
だって正直に『Hしてました』なんて言ったら、皆にも呆れられるし、俊ちゃんが攻められるかも知れない。
自分が悪く言わはれるのは良いけど、俊ちゃんが言われるのは嫌!
だから、保健室での出来事は秘密にしておこう。
「ノンちゃん達、今から昼飯なんだって。俊ちゃん、俺らも飯食いに行こうよ。腹へった」
孝道君は大袈裟にお腹を擦って見せる。
「そうだな!じゃぁその辺で適当に食べるか!!」
俊ちゃんが合意すると、孝道君と隆明君が直ぐ様提案する。
「俺、ファミレスが良い!」
「えーっ!?俺はファーストフード」
「隆明、お前昨日もファーストフード店でたらふく食っただろ?たまには違う所にしようぜ?」
「う…ん。分かったよ」
渋々と言った感じに隆明君は了承したけど、最終的に行き先を決めるのは恐らく俊ちゃん。
いっつも輪の中心に居て、皆のリーダー的存在だから。