夏の空~彼の背中を追い掛けて~
「ノンちゃん、真弥!俺達も昼飯食べに行ってくる」
俊ちゃんは靴を履き、皆に急かされながら一歩一歩ドアへ向かって歩みを進める。
「皆、来てくれて有り難うね♪」
紀香は笑顔で手を振り、4人を見送る。
私も「有り難う」を告げ、一緒に見送った。
教室へ戻り、紀香と昼食を食べていると、人影が私の隣で立ち止まる。
「真弥…」
声だけで、それが誰なのか直ぐに分かった。
「漣…」
『どうしたの?』
『何の用?』
今までみたいにそう声を掛ければ良いのに、何故か言葉が出てこない。
朝までは普通に喋れていたのに何で?
あんな事があったから、漣の事が許せない?
嫌いになった?
俊ちゃんが私の心を溶かしてくれたから、漣に対しては怒ってないよね?
じゃぁ何が原因?