夏の空~彼の背中を追い掛けて~
「毎日は無理だけど、傍に居てやれる時は、俺が守ってやるから!」
私だけに聞こえる声で、俊ちゃんはそう言ってくれた。
そしてその約束を守り、体育祭が終わるまで、片時も離れず傍に居てくれた。
帰りのホームルームが終わり、紀香とバス停へ向かうと、そこにバイクに乗った皆の姿が現れる。
「アレッ?俊ちゃんのバイクが違う」
私、真っ白いT○-Rが好きだったのに、買い換えたのかな?
もう1度乗りたかった…。
「近くに住んでる先輩に借りたんだ。家まで送るから後ろに乗って?ノンちゃんも!」
送るって私を?
まさかね、そんな事あるはずがない。
「約束したろ?傍に居られる時は守るって」
戸惑う私に、俊ちゃんがそう付け加えた。
「有り難う」
私は緩む頬を隠しつつ、手渡されたヘルメットを装着していると、紀香が俊ちゃんのバイクへと近寄る。