夏の空~彼の背中を追い掛けて~
バス停から約20分。
家が間近に迫り、両脇の服を引っ張って、停車してもらった。
「そこの角を曲がったら家だから、ここで良いよ。送ってくれて有り難う」
私はバイクを降り、ヘルメットを俊ちゃんに返した。
「またベルする」
「うん。帰り道分かる?」
「うん、大丈夫」
「気を付けて帰ってね。皆も送ってくれて有り難う」
1·2歩後ろへ下がり、私は皆に一礼した。
「じゃぁまたな!!」
手を振る変わりに、豪快にエンジンを吹かし、皆が去って行く。
私は見えなくなるまで見送り、帰宅した。
それから男性恐怖症を克服する事も出来ないまま、一月が経った。