夏の空~彼の背中を追い掛けて~
「私の名前はユカ。名乗らなかった事は謝る。今授業中なら戻って良いよ。また連絡する」
ユカと名乗った彼女は急に大人しくなり、電話を切った。
もしかして、言い過ぎたかな?
でも言った事に後悔はないし、まだまだ言い足りない気もする。
『また連絡する』って言ってたけど、もしその時が来たら私はどうなるんだろう…。
不安は消えないけど、今はどうする事も出来ない。
取り敢えず教室に戻ろう。
先生だけじゃなく、クラスメイトにも長いトイレだったと勘違いされちゃう。
って…されてるんだろうなぁ~。
廊下を歩いていると授業終了のチャイムが鳴り、教室のドアを開けると同時に先生が出て行った。
「真弥!電話掛けたの!?」
全ての事情を知っている紀香が、自席から声を掛ける。
私はそこへ行き、さっきのやり取りを話した。