夏の空~彼の背中を追い掛けて~
「紀香はユカって人の事、知ってる?」
「私は名前も聞いた事ない。でも孝道だったら何か知ってるかも知れないし、会ったら聞いてみる」
「有り難う。宜しくね」
孝道君なら俊ちゃんに最も近い場所に居る。
女には話せない男同士の話しだって、色々してるかも知れない。
ユカと俊ちゃんの事が分かるまで、焦らず待とう。
気を取り直し、残りの授業を受け、私達は下校した。
紀香を見送った後、私もバスに乗り自宅を目指す。
すると暫くして、携帯が鳴った。
『もしもし、真弥?ユカだけど今どこ?』
ハーッ、今度は何!?
もう、面倒臭いなこの人。
「もう家に着く所」
「今、学校の近くに居るから、こっちに戻って来て」
おいおい、私が乗ってるバスは高速バスだから、途中下車は無理だし、路線バスだと乗り継ぎしないと学校まで行けない。