夏の空~彼の背中を追い掛けて~
11月の第1土曜日、午前中の授業を終えて、紀香と2人で私が利用しているバス停で、父の迎えを待っていた。
今までは私がお泊まりに行ってばかりだったから、今回は紀香が我が家へ泊まりに来る。
待ち合わせ場所がバス停と言う事もあり、何台かのバスが停車する。
1台2台と見送る中、いつも紀香が乗ってる○川行きのバスが止まった。
「アレッ!?俊ちゃんだ…」
乗客を眺めていた紀香が、バスに向かって手を振り出す。
えっ!?俊ちゃん!?
私もバスを見上げると、歩道側に座り、ジッと外を眺める俊ちゃんの姿があった。
本当に乗ってる。
相変わらず格好良いなぁ~。
また俊ちゃんとの時間を過ごしたい。
だけどユカの1件で、私達の間には溝が出来てしまった。
それを埋める事はもう出来ないの?
何か方法はない?
私は過ぎ行くバスを眺める事しか出来なかった。