夏の空~彼の背中を追い掛けて~
程なくして、父の車がバス停に止まり、私達はそれに乗り込み、我が家へ向かった。
紀香の家と同様、私が住んでる所も田舎。
遊べるような場所は無いけど、○川と違うのは大きめのスーパーや公園、本屋に喫茶店等が一通り有る事。
でも、暇を潰すとなるとそれらは向いて無い。
「お父さん、家に帰る前に本屋へ寄ってくれる?」
無口な父からは『うん』とも『嫌』とも返事が返って来ないが、ちゃんと本屋へ寄ってくれた。
「紀香、何見たい?コメディ?恋愛?ホラー?」
「ホラーは嫌!!私はコメディ系かな…」
ずらりと並んだビデオの棚を見上げたり、屈んだりしながら私達はコメディコーナーを歩いて回る。
「あっ!!私、これを見たい♪」
んっ?見たいのあった?
紀香が手にしたビデオを覗くと、それはコメディではなくアクション系だった。