夏の空~彼の背中を追い掛けて~


帰りのホームルームが終わると、私と紀香はバス停へ急ぐ。



「何分のバスに乗るの?」



私の声に、紀香は時計と時刻表を交互に見る。



「あっ、5分後に来るバスに乗れるよ」



「じゃぁ直ぐ来るね♪」



私達は、バス停の前を通り過ぎるクラスメイトに手を振りながらバスを待った。



「来たよ~」



紀香の声とほぼ同時にバスは停まり、私達はそれに乗り込んだ。



聞いた話しによると、紀香が住んでる家は山との事。



県内でも有名なスキー場の近くで、民家なんて殆んど無い。



猪や狸も頻繁に出没するし、雪が降ると登校出来ない日も屡々。



一体どんな所なんだろう?



ワクワクしちゃう♪



私達を乗せたバスは、山道へ入る手前の温泉街で停車した。





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