夏の空~彼の背中を追い掛けて~
「今度見掛けたら、正面から見て。ビックリする位、似てるよ♪」
「うん♪分かったぁ♪」
話題を変えた事で広川さんには笑顔が戻り、私はホッとした。
自動車学校へ着くと、目の前の課題に気持ちが集中する。
だけど、フッとした瞬間に思い出されるのは、やっぱり俊ちゃんの事。
もしユカとのトラブルがなかったら、あの時の会話に私も入れてたのだろうか。
まさかとは思うけど『寄り道』とは、私に対して言ってくれたの?
○川行きのバス停に立っていたから、紀香の家に行くと思ったとか?
声を掛けられる迄、私も紀香も俊ちゃんがそこに居るとは気付かなかった。
無視しようと思えば出来たはず。
なのに何故、声を掛けたの?
もしかして、今だったら前みたいに戻れる?
久々に顔を見たせいか、俊ちゃんが恋しくて堪らない。
もう1度会いたい!
その思いが一気に膨らみ、帰宅して直ぐメッセージを送った。
【アエテウレシカッタ】
【マヤ】