夏の空~彼の背中を追い掛けて~
んっ?紀香の家ってこの辺じゃないよね?
何にもない山の中だって言ってたし…。
「紀香、バス降りるの?」
「うん♪」
ニコニコしながらバスを降りる紀香の後ろを、私はトコトコ追い掛ける。
もしかして、バスの乗り換え?
そんな事を思っていると、紀香は公衆電話の前に立ち私を呼ぶ。
「真弥、メッセージを送って欲しいんだけど…」
「メッセージ?」
「うん。迎えに来てって送って欲しいの。私より真弥の方が速いから」
「分かった」
私達は公衆電話に並んで立ち、紀香がポケベルの番号を押した後に私がメッセージを打つ。