夏の空~彼の背中を追い掛けて~
「漣?他に用がないなら切るよ?」
珍しく沈黙する漣に多少戸惑いつつ、私はそう問い掛けた。
『あっ…のさ、真弥…』
まだ話す事があるのか、漣は電話を切らせない。
『俺の責任だって言っておきながら…こんな事を聞くと、真弥は…怒る…かも知れないけど…』
モゴモゴと歯切れの悪い喋り方が、何だか私を不安にさせる。
『俊て言う奴とは、その……☆※でしたの?』
「んっ?良く聞こえない。もう1度言って?」
私が問い掛けると、電話の向こうの漣は、フーッと息を吐き、気持ちを落ち着かせている様子。
そして咳払いを1つすると、今度はちゃんと聞き取れる声で話してくれた。
『ゴムは着けなかったの?』
「な…何でそんな事聞くの!?」
いくら元彼とは言え、そこには踏み入って欲しくない。
『ご…ごめん。…まさかとは思うけど、俺の時と同じ事になってない?』
「んんっ?同じ事???」
『真弥とHする時、俺ゴム着けた事ないじゃん?それに気持ちいいからって、何回も中出しして…』
そこまで言われて、漸く気付いた。