夏の空~彼の背中を追い掛けて~
いざとなったら逃げ道もあるようなので、自分で購入するよりは遥かに安全。
『私も自動車学校へ通ってるから、週末にしか買いに行けないけど良い?』
「うん。ごめんね、亜紀にこんな事頼んじゃって…」
『良いよ良いよ、気にしないで』
特に突っ込んで聞く事もなく、亜紀は快く承諾してくれた。
私は亜紀に感謝しながら、週末を待った。
そして日曜日の昼、ベルが震えてメッセージが表示される。
《アレカッタヨー アキ》
【アリガト イマドコ?マヤ】
《○○ニイル》
《14ジゴロエキニツク》
【ワカッター マヤ】
私はソワソワしながら時間が経つのを待ち、13時45分に家を出て、駅へと向かった。
長い坂を下ると、待ち合わせ場所の駅が見えてくる。
そこで妊娠検査薬を受け取り、亜紀は次の駅で下車する予定だった。
なのに、汽車は既に停車していて、私が辿り着く前にホームを去って行った。