夏の空~彼の背中を追い掛けて~
えっと…何処までメッセージ打ったっけ?
12(イ)71(マ)21(カ)91(ラ)
携帯のディスプレイに表示されてた数字を再読しながら、その続きを打つ。
〈○○1422521223〉
#を押し、メッセージ送信が終わると、もう1度亜紀のベル番を押す。
ポケベルは12文字までしか送れない為、長めのメッセージは数回に分けなければいけない。
【マッテテ マヤ】
最後のメッセージを打ち終わり、私は○○駅へ行く為、進行方向を西へ変えた。
するとまた、クスクス笑う様な声が耳へと届く。
「真弥~、私も○○駅へ移動した方が良いのぉ?」
んんっ!?
私は足を止め、駅を振り返ると、何だか可笑しそうな顔をした亜紀が、階段を降りて来るのが見えた。
「亜…亜紀!?」
「真弥がホームに居なかったから、電車降りちゃったよ」
「ごめんね!!」
「ううん、それよりコレ!」
亜紀は肩から提げたバッグの中から、紙袋に包まれた長方形のモノを取り出す。
中身は勿論、妊娠検査薬。