夏の空~彼の背中を追い掛けて~
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【ムカエニキテ ノリカ】
「メッセージ送ったよ?」
「早っ!!良し、じゃぁ行こう」
えっ!?行くって何処へ!?
ここで待つんじゃないの!?
相変わらず紀香の主語が無い為、その意図が分からない。
でも俊ちゃんと事前に打ち合わせしてるだろうし、付いて行くしかないね。
私は先を歩く紀香の後を追った。
少しだけ来た道を戻り、登り坂の方へと歩みを進めるうちに、改めて山だと実感する。
周りには家が一軒も無く、車にも遭遇しない。
それにまだお昼だと言うのに、平地に比べて気温も低い。
「結構涼しいね」
「うん♪夜になると肌寒い時もあるんだよ」
「そうなんだ!?」
「うん♪」
私達は他愛もない話をしながら、ひたすら坂を登った。