夏の空~彼の背中を追い掛けて~
「あっ!!来た!!」
紀香の声に視線を上げると、2台のバイクが目に入る。
1台はスクーターのタ○ト。
もう1台はギア付きの真っ白いT○-R。
まさか俊ちゃん!?
どっちかな?
2人共ノーヘルだけど、距離が遠い為顔の確認が出来ない。
個人的にはT○-Rの人が良いかなぁ。
だって格好良さそうじゃない?
「遅くなってごめん」
颯爽と目の前に現れた2人の男の子。
それはまるで白馬に乗った王子様の様だった。
「もう遅いよ~何処まで歩かせる気だったの?」
珍しく紀香が大声を出す。
「マジでゴメン!!コイツが来るの遅くてさ…」
T○-Rの人がスクーターの人を振り返る。