夏の空~彼の背中を追い掛けて~
「ねぇ紀香、どっちが俊ちゃん?」
私は2人に聞こえない様に、コッソリ耳打ちした。
「あっ…此方が孝道で此方が俊ちゃん。それで彼女が真弥だよ」
紀香に仲介してもらい、私達はお互いに頭を下げる。
うわぁ~やっぱりT○-Rの人が俊ちゃんだった♪
めちゃくちゃ格好良いよ。
どうしよう!!
私、一目惚れしちゃった!!
「俊ちゃん、私は孝道と先に帰るから真弥の事は宜しく!」
軽く俊ちゃんの肩に触れた紀香は、迷う事なく孝道君のバイクの後ろに座る。
「後ろ乗って」
私に視線を向けた後、俊ちゃんは軽く後ろを向く。
あっ…今、目が合った♪
ってそんな事を喜ぶ時ではない!!
T○-Rはギア付きの格好良いバイクだけど、50㏄だよ!?
後ろにはシートもステップも無い。