夏の空~彼の背中を追い掛けて~
「どうやって乗れば良いの!?乗り方が分からない…」
躊躇する私を見て、俊ちゃんはスタンバイ済みの紀香達へ視線を移す。
「孝道!お前が手本を見せろ」
「あ…うん…」
仕方ないと言った感じで孝道君はスクーターを降りると、私の前で立ち止まる。
「良い?良く見てて。ここに足を掛けてこうやって乗る!!」
孝道君は意図も簡単に俊ちゃんの後ろに乗って見せた。
「じゃぁ乗ってみて」
孝道君がバイクを降りると、私は教えて貰った位置に足を置く。
エイッ!!
思い切り地面を蹴り、片足を反対側へ伸ばした。
「ヤッター♪乗れた♪」
思ったより簡単に乗れ、私は一安心。
でも、何処に掴まろう…。
暫し俊ちゃんの背中を見付め、そっとTシャツを掴んだ。