夏の空~彼の背中を追い掛けて~
「家の人にはバレなかった?」
「大丈夫だよ」
「ごめんな、ノンちゃんに迷惑掛けちゃって…」
んっ?
会話してるのって…俊ちゃんと紀香?
でも別れてからまだあんまり時間経ってないよね?
あぁ~そっか…眠くて夢の中の会話が、現実っぽく感じてるんだ…。
そう解釈すると、開きかけた瞼が硬く閉じる。
「それを言う為にわざわざ来たの?」
「う…ん?それもあるけど…」
フワリと誰かの手が、私の頭を優しく撫でる。
えっ!?
これって現実なの!?
慌てて飛び起きると、布団の脇に俊ちゃんが座っていた。
「おはよう、真弥。悪い、起こした?」
「ううん、そんな事ないよ。それより俊ちゃんこそどうしたの?いつもならベルしてくれるのに…」
「ごめん。ノンちゃんには色々と迷惑掛けたし、少しでも早く謝りたくてさ…」
そう言えば帰った時、紀香は寝てたから、私もまだ昨日の報告をしていない。