夏の空~彼の背中を追い掛けて~
「真弥、もっと確り掴まないと危ないよ?」
キャーッ♪
初めて名前呼ばれた♪
嬉しさを押し殺し、私は俊ちゃんの両脇の服を掴んだ。
「…それでも危ない」
そう言うと俊ちゃんは私の両手を前で組ませた。
うわぁ~♪
凄い密着。
嬉しいけど、ドキドキが止まらない。
この感覚は、彼氏に恋してた時と似てる。
私…間違いなく俊ちゃんに恋してるんだ…。
もう誰かを好きになるのは止めようと思ってたのに…。
自分の中に芽生えた新しい感情に戸惑っているうちにバイクは発進し、集落の一角で停車した。
「降りれる?」
「うん」
ほんの少しバイクを傾けてくれた為、チビな私でも楽に降りられた。