夏の空~彼の背中を追い掛けて~
「もしかして…俊ちゃんは子供産む事に賛成したの!?」
「孝道…もしかしてって何?」
文句でもあるのか?と言う目で、俊ちゃんは孝道君を見返す。
「だって、俺らまだ高校生だよ!?俊ちゃんはもうすぐ卒業するから高校生じゃなくなるけど…専門学校だって行くんだろ?」
「あぁ、行く。だから、真弥と俺の親を説得するにはどうしたら良いか、昨日から2人で色々と話し合ってる」
「でもさ、子供が産まれたら、学校へ通う余裕なんてないんじゃない?」
「バイトは続けるけど、親に迷惑を掛けないようにするには何が1番なのか考えてる所で、まだ答えは出てない」
「それじゃぁ」「でもさ」と孝道君の質問は尽きる事がない。
俊ちゃんはそれらに出来る限り答えているけど、こうして質問·疑問をぶつけられる事で、改めて考えさせられる事が沢山ある。
考えが甘かったかな?と痛感させられたと共に、私達では気付く事が出来なかった新な課題。
そう言った点が色々と分かり、私は孝道君に感謝の気持ちを覚えた。
「なぁ孝道。俺からも聞いて良い?」
これまでずっと質問攻めにあっていた俊ちゃんが、今度は逆に質問を投げ掛ける。
「昨日…自分の感情のまま突っ走り、真弥の中に入れただろ?その時…お前はちゃんとゴム着けてたのか?」
「なっ…!?何でそんな事聞くんだよ!?」
顔を真っ赤にして慌てる孝道君に対し、俊ちゃんは真面目な顔を崩さない。