夏の空~彼の背中を追い掛けて~


私が居ない時は、紀香が俊ちゃんの後ろに乗ってるんだね…。



思い掛けない事を知り、ショックと動揺で脳内が一瞬フリーズする。



きっと4人の中で、俊ちゃんの運転が1番上手いから、紀香を後ろに乗せてるだけ。



何も心配しなくても大丈夫。



嫉妬する事なんてない。



そう自分に言い聞かせ、尚も続く俊ちゃんと隆明君の会話に耳を傾けた。



「残念!違う」



「マジで違うの!?んあっ!孝道ちゃんと真弥ちゃんだ!!」



この何気無い答えに、隆明君·弘晃君を覗く4人の顔色が一斉に変わり、淀んだ空気が流れ出す。



「何でそう思う?」



俊ちゃんは眉間にシワを寄せながら、その理由を問う。



「た…孝道ちゃん、ずっと真弥ちゃんとし…したいって言ってるし、昨日だって真弥ちゃんがバスに乗ってた事を教えたら、メチャクチャ喜んでたし…」



チラチラと孝道君を見ながら、隆明君は言い難そうに答えた。



「隆明、その答えも違うぞ?答えは俊と真弥ちゃんだよ」



これまでずっと黙っていた弘晃君が、ボソッと呟く。



「え゙ーっ!?それマジなの!?」



大袈裟とも言える位のリアクションで、隆明君は驚いて見せる。



そんなに驚く程、私と俊ちゃんが付き合う事は意外なのだろうか…。





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