夏の空~彼の背中を追い掛けて~
「な…何!?俺、真弥ちゃんに嫌われるような事した?」
突然の出来事に、隆明君は困惑した様子。
「ごめんね、隆明君は何も悪くないよ。ちょっと…色々思い出して…。傷付けてごめんね」
誰の顔も直視出来ない私は、床に小さく踞ったまま謝った。
でも背を向けているので、隆明君に私の誠意は伝わらない。
「真弥ちゃん!謝る時は相手の目を見る!!そう習わなかった!?」
「ごめん…今は見れない」
「じゃぁそれが何でか教えて!ちゃんと理由を言ってくれないと、許せない!」
理由…それをここで言うの!?
無理でしょう。
目の前に本人が居るのに…。
「さぁ真弥ちゃん!早く教えて!言わないなら俺、どんどんそっちへ行くから!」
そう言うと隆明君はカウントダウンを始め、少しずつ前進してくる。
ヤダ!!来ないでよ!
隆明君ってこんなに意地悪だったの!?
「3……」
「2……」
もう直ぐそこまで来てる!