夏の空~彼の背中を追い掛けて~


「な…何!?俺、真弥ちゃんに嫌われるような事した?」



突然の出来事に、隆明君は困惑した様子。



「ごめんね、隆明君は何も悪くないよ。ちょっと…色々思い出して…。傷付けてごめんね」



誰の顔も直視出来ない私は、床に小さく踞ったまま謝った。



でも背を向けているので、隆明君に私の誠意は伝わらない。



「真弥ちゃん!謝る時は相手の目を見る!!そう習わなかった!?」



「ごめん…今は見れない」



「じゃぁそれが何でか教えて!ちゃんと理由を言ってくれないと、許せない!」



理由…それをここで言うの!?



無理でしょう。



目の前に本人が居るのに…。



「さぁ真弥ちゃん!早く教えて!言わないなら俺、どんどんそっちへ行くから!」



そう言うと隆明君はカウントダウンを始め、少しずつ前進してくる。



ヤダ!!来ないでよ!



隆明君ってこんなに意地悪だったの!?



「3……」



「2……」



もう直ぐそこまで来てる!





< 252 / 354 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop