夏の空~彼の背中を追い掛けて~
「真弥!?もしかして拒絶反応が起きたのか!?」
床に踞る私を見て、俊ちゃんは瞬時にそれに気付く。
「俺が居ない間に何があった!?」
物凄い剣幕に尻込みしそうになりながら、隆明君が事のあらましを話す。
その間、俊ちゃんは話を聞きながら私を抱き締め、心を解き解していく。
「事情は分かった…。きっと時間が経てばこんな風になる事も無くなる。だからそれまではそっと見守ってやってくれ」
「うん、分かった!!」
その場に居た誰もが頷く。
「俊ちゃんは、昨日からずっとこんな真弥ちゃんを見てんの?気分が悪くなったり、怯えたりしてる姿…」
悩ましい顔で孝道君が問い掛ける。
「昨日…倉庫を出る時からずっと見てる。悪阻で…」
「え゙っ!?つ…悪阻!?真弥ちゃん妊娠してんの!?誰の子供!?まさか…俊ちゃん!?」
俊ちゃんの言葉を遮り、隆明君が驚きの声を上げるが、敢えてそれには答えず、俊ちゃんは話を続ける。
「悪阻で辛そうにしてる姿や、こんな風に怯えてる真弥を見てたら、俺が守ろうって思った。こんな華奢な体に、どれだけのモノがのし掛かってるか分かる?」
「……」
「俺の知らない所で、真弥は1人で全部背負って戦ってたんだ。惚れた女の苦しむ姿を見たら、お前らどう思う?俺にも半分背負わせろ!って思わない?」
「うん…思う」
隆明君の合図地に、皆も頷く。