夏の空~彼の背中を追い掛けて~
外に出ると4台のバイクが停まっていて、T○-Rの他は全部スクーター。
俊ちゃんはそのうちの1台に股がり、エンジンを掛けた。
「これだと俺のより後ろに乗るのが楽だろ?」
うん。
T○-Rと違い、思い切り踏み込んでジャンプする事もなく、自転車に乗る感覚でそこに乗れる。
ちゃんと赤ちゃんの事を考えて、借りてくれたんだね。
有り難う。
「振動はどうしようもないけど、もしお腹に負担が掛かりそうだったら、ちゃんと言うんだよ?」
「うん。分かった」
「じゃぁ、行くよ」
抱き付く腕に力を込めてOKの合図を送ると、スクーターはゆっくり走り出す。
T○-Rとは違い、風を斬るスピードが全く違う。
ゆったりと景色を楽しめ、ドライブをしている気分になる。
たまにはこんな風に、のんびり移動するのも悪くないかも♪
俊ちゃんの温もりを頬に感じながら、私は束の間のドライブを楽しんだ。