夏の空~彼の背中を追い掛けて~
彼女になったとは言え、家の手前でバイクを降りるのは変わらない。
私は部屋へ上がり、俊ちゃんが来るのを待った。
「お待たせ。うわっ、この部屋寒い!真弥、こっち」
俊ちゃんはエアコンのスイッチを入れると、ベッドの中へ潜り込み、隣をポンポンと叩いて私を誘う。
それが余りにも艶っぽくて、初体験するみたいにドキドキが止まらない。
私は恥ずかしさで頬を真っ赤に染めたまま、そっと布団に入り込んだ。
「部屋が暖まるまで、こうしてよ」
俊ちゃんは私の首下にスッと腕を入れると、ギュッと抱き締め唇を塞ぐ。
啄んだり深めたり、息も出来ぬ程舌を絡め合いながら体勢を変え、私は組敷かれる。
唇から下へ向かって、徐々にキスは移動するけど、俊ちゃんの手は私の手を確りと握り閉めている。
どう言う事?
今日はこれ以上の事はしないって事?
私は物足りなさを覚え、何度も何度も自分からキスを求めた。
「今日の真弥、凄い積極的」
「だって…イッパイ触れたいもん…」
「俺も…」
CHU!CHU!
どんなにキスが深まっても、繋いだ手が解かれる気配はない。